長寿企業に共通すること
美濃焼の話をひとつ。
大量生産が主体で安価な食器を生産できる土岐市肥田地区では、輸出向けに大忙しな日々が続いている。
忙しさが日々では済まず、再来年の生産まで受注が入っているから驚きである。
安価な中国製品に押され、燃料の高騰で苦しんでいた2,3年前とは顔色が違うようだ。
後継者問題、人手不足、土原料の枯渇など、業界全体で解決しなくてはならない問題もあるが、
美濃焼の一部とは言え、潤いを取り戻しつつあることは大変喜ばしいことである。
それにしても、円安や日本食ブームも手伝って海外からの需要は相当なものなのだろう。
ネットやテレビ番組にも取り上げられる日本のラーメンは、アメリカをはじめフランス、イギリスなど
一大ブームが巻き起こっているほどだ。
そのラーメンも、日本での価格の2倍は出さないと食べられない、と言うからビックリだ。
海外が高いのか、国内が安いのか、まあ値段に相当する満足が得られるのなら、どちらでも良い話では
あるが...
国内でラーメンを食べるとなると一般的に700~800円程度の出費が強いられる。
しかし、昔から変わらぬ味を安く提供しているラーメン店があるのをご存じか?
東海地区を代表する企業で、〇〇〇や、と来ればもうお分かりだろう。
えっ、まだ分からない!?
バローやユニーといったフードコートには、必ずと言っていいほど入店しているあの有名なラーメン店。
そう、「寿がきや」のラーメンです。
スープは万人が好む「和風とんこつ」味を60年も変わらぬ味で提供されています。
実は私が小学生の時、豚骨ラーメンなんて存在を知らなかった。
ラーメンと言えば、しょうゆ、みそ、塩の3種類しか無いものと思っていた。
ユニーで初めて食べたあの感動の味は、今でも忘れられない。
味だけではない。ラーメンの価格にも感動させられる。
35年前の小学生だった当時、ラーメンの価格は「週刊少年ジャンプ」の170円より安かった。
ラーメン 150円
玉子入りラーメン 180円
肉入りラーメン 220円
特製ラーメン 250円(※玉子と肉が入った)
玉子を入れると+30円、肉を追加すると+70円の価格差は、誰が見ても分かり易く、どれを食べても
満足感があった。
そして今、そのラーメンの価格も当時の2倍になった。
しかし、300円でラーメンが食べられる所なんてあるのだろうか?
それも、税込の金額で。
コストパフォーマンスでいえば、おそらく太刀打ちできるラーメンはきっと存在しないだろう。
驚くべきことに、35年前とメニューが変わらないのである。
そして、玉子入り、肉入りの価格体系も当時と一緒。
伝統を守り、ブレない経営が永続企業に共通する事のように思える。
また、すべてが不変的な訳でもない。時代の変化が速くなった昨今、変えていかなくてはならない事も必要
である。
それが、メニューの追加なのだろう。
お客の要望に応え、リピーターを増やす事がすべての企業にも求められる。
それが出来るか出来ないかは、トップの方針次第である。
さて、私が寿がきやでBest of menu だと思っているものが、「クリームぜんざい」
デザート通より一言。
『これで210円は、ミニストップのソフトクリームより満足度高し!』
~ by 井澤 ~