陶磁器産業は江戸時代から始まり、産業革命が起こった明治時代後期になると、内需の高まりと輸出の拡大を受け、近代化・大量生産化が進みました。また産業の効率化のため、製品ごとの産地分業化が進み、製品を焼き上げるまでの工程を「型」「鋳込み」「窯焼」「絵付け」などに分けることで多種多様なニーズに応えられる生産体制を確立しました。分業化のひとつである「型」とは石膏型のことを指し、石膏の水分を吸収する特性を活かした成形技法は陶土を成形するのに最適な成形型とされ、100年以上経った今でも変わることなく受け継がれています。
大正時代中期、初代井澤宮次郎が陶磁器用石膏型の製造を手掛け、昭和18年二代目井澤明一が会社法人を設立、社名を石膏型の「型」と先代宮次郎の「宮」から一字ずつ取り「型宮製型所」としました(昭和57年「型宮産業」に改称)。平成の時代に入り、三代目井澤明彦は職人の高齢化による技術継承の難しさを痛感し、今まで手作業で行っていた工程を部分的に機械化することで、正確、かつ効率的な技術継承を目指しました。その想いを四代目井澤元繁が引き継ぎ、試行錯誤を重ねながらついに原型師による職人技とコンピュータによるデジタル技術の融合を実現するに至りました。
コンピュータ技術による高品質、高精度、短納期を強みとし、近年は陶磁器分野に留まらず、セラミックス分野や自動車・航空機関連分野、医療関連分野など、様々な分野に手を広げております。この先もお客様のご要望に添えるよう邁進するとともに、石膏型の製造技術が途絶えることのないよう人材育成にも力を入れ、美濃焼産地の更なる発展に繋がるよう努力していく所存です。